はじめは鏡を不思議そうに見ていた子供が,鏡に向かって話しかけたり,裏に廻って人の存在を確認しようとしていましたが,最近では自分の姿と認識してきているようです.その姿を見て唯々可愛いなと感じていたのですが,このことは結構意味深い成長過程みたいです.
ある本に書いてあったのですが,人は自分の姿は客観視できないので,いわゆる「寸断された身体」のイメージの中で生きていて,鏡という他者をとおして自己の全体像を把握し,「わたし」を形成することで自我が生まれるそうです.このことを鏡像段階というみたいです.実態のない像をあてにしているわけですから,考えようによっては怖い気がしますが・・・.
この他者を通して自分を認識するという考え方はデザインをする上でも通ずるところがあると思うと同時に,生活の中の何気ないことが,切り口によってはとても意味深いことになるなと考えされられました. (D.H)